勤続14年で銀行を辞めた本当の理由。誰のために働くのか?

こんにちは!ひろこです。
そろそろ書こうかなと思ったので、私が大卒後14年勤めた地方銀行を辞めた本当の理由をお話しします。
組織で働くということが当たり前だった14年間でしたが、辞めてみて働くということを改めて考えることができました。
銀行の投資信託販売員という仕事。
私が勤めていた銀行は少し変わっていて採用の段階で事務職と総合職という区別がありません。
全員が総合職なんです。なのでお給料は他行に比べると高いんです。そんなこともあって就職しました(笑)
入行して間もない頃は内部事務を担当していましたが、仕事に緻密さがないという短所とよくしゃべるという長所から早い段階で営業の道に進むことになりました。
営業も男性行員に多い企業への融資事務ではなく、個人への金融商品の販売事務の仕事です。
銀行で扱う金融商品って幅が広く大きくは投資信託や債券、保険などがあります。私は専ら投資信託の販売をメインにしていました。
営業のスタイルとしては来店型ではなく訪問型です。
毎日、昼食時間以外はほとんど自転車で支店周辺のお客さんのところに通っていました。
銀行の場合は口座を持っている人のリスト(顧客リスト)があるのでその情報を元にアプローチをかけ、アポを取ったりします。
営業というと知らない人のお家を片っ端からピンポンみたいなイメージがあるかもしれませんが、私の場合はそうではありませんでした。
銀行員は2,3年で転勤するのでよく新しい上席が転勤してくると
「ちょっとリスト見せてくれる?」
って言われるんです。要するに契約が取れそうな人はどれかってことです。もっとストレートに言うとお金がある人ってことです。
私たち営業が販売する商品には手数料が含まれています。保険なら◯%、投信なら◯%という風に決まっています。
半期毎に◯◯◯万円という手数料のノルマが本部から降りてきます。そう私たちの仕事は手数料を取ってくることです。
ちなみに、気になる年収は600万ほどです。残業は月に20時間ほどです。役職で言うと主任というポジションで一般社員からひとつ昇格したポジションです。
私の場合はキャリアが長いこともあってそれなりに販売実績があったので数年前から係長への昇進を事あるごとに言われていました。
「係長になったら800万はもらえるよ〜、そろそろどう?」なんて(笑)
係長に進むと2,3年後には支店長代理というポジションになります。そこで大体年収1,000万です。男性社員で早くに出世する人だと32歳・33歳くらいで支店長代理です。
これだけ聞くと銀行って高給取りでいいね〜なんて思うでしょうがその分、漏れなく鬼のような出世争いがあります(笑)
ある意味、銀行という職種は旧体質なところなので露骨な縦社会です。上司の言うことに従順に従う人間が求められます。
それだけに高いお給料を貰うということは会社に縛られることになるのです。だから私はこれまで頑なに昇進を拒否してきました。
金融商品ってお願いして買ってもらうもの?
営業っていろんなスタイルがあります。私が見てきた銀行員の営業スタイルで一番多いのがお願いして買ってもらうタイプです。
極端な話、入りたての2,3年目の若い行員でも可愛くて人懐っこい子はエリアが良ければそれなりに手数料をとってきます。
「社長さんなんとかお願いしますよ〜!」って(笑)
中小企業の社長さんとかはそれなりにまとまったお金を持っています。なので仲良くなってここぞというときのお願い営業でもなんとなかなります。
ま〜これは銀行に限らず一般的な営業の世界でもよくある話ですが。
特に日本の銀行の場合は信用力という武器があるからこそこのような営業スタイルがまかり通るのかもしれませんね。
また、ここぞという時に支店長と一緒に訪問して「なんとかお願いします!社長!」みたいなパターンもあります。
期末であと少し営業成績にプラスがほしいときに力技で契約を取りにいく場合ですね。
で、私はと言うと。無駄にキャリアが長いこともあってか年のせいもあってかお願いする営業が大嫌いなんです(笑)
だっておかしくないですか?
金融商品は価格が変動する訳で。誰も資産を減らそうと思って買うわけではありません。増えると思うから買うんですよね?
つまり、お客さんが納得した上でこの商品を買おう!と思ったタイミングで買うものです。そのサポートを私たち営業がするんです。
なので営業からお願いして商品を買ってもらうというのは顧客本位とは言えません(もちろん常にお願いして買ってもらっているわけではありません)
そんなこだわりが強いせいもあってか私と長くお付き合いのあるお客さんは投資経験が長いおっちゃんばかりでした(笑)
大抵は自宅に訪問して相場の話をあーでもないこーでもないと語り合うんです。そして今だ!という時に買ったり売ったりします。
このおかげで私は自分の投資経験値を大きく上げることができました。人の運用を数多く見てきたことが私の一番の強みです。
誰のために働くのか?
私が投資信託の営業をやってきた中で一番葛藤したのが銀行員は常に手数料を稼ぎ続けなければいけないというジレンマです。
四半期毎に収益目標がリセットされます。それもどんどん目標値が上がっていくんです💦
昨今のゼロ金利政策の影響でどの銀行も本来の貸金業で手数料を稼げません。なのでしわ寄せが私たち販売チームにきていました。
でも金融商品って当然ですがいつ買っても儲かるわけじゃないんです。相場なので買い時、売り時があるわけです。
お客さんのことを考えると今は特に自社が売れる商品の中で自信を持っておすすめできる商品が無くても営業である以上は売らないといけないんです。
「支店長すみません。今は相場が悪いので売れなくて〜(テヘッ)」とか通用する職場ではありません。
支店長も当然ですがサラリーマンなのでメンツがあります。他店よりは収益を多く取りたいという思いがあるのでいつでも「もっととってこい!」です。
だから、よく銀行や証券の営業に提案を求めたらいつでも今は◯◯が買いですよ〜って言うんですよ(笑)
これについてはあっきんがある時こう言ってました。
[say name=”あっきん” img=”https://akilog.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/akkin-prof.png”]証券も銀行も手数料でご飯食べる仕組みが残念やね。別に彼らが悪いわけじゃなくて仕組みね〜。真面目に販売すればするほど顧客が損をするっていう・・・(笑)[/say]
私はこれを言われると返す言葉がないんですよ。図星だからです。
私は金融商品を売ることを仕事にする以上は徹底的に自分も運用しないと個人投資家相手にまともに話ができないという思いが営業になりたての頃からありました。
なのでどんどんお給料を投資に回していました。今ではとても良い環境だったと思いますが(笑)
投資って上手にやればお金でお金を増やせるのでとてもありがたい仕組みだと思います。なのでもっとたくさんの人にやってほしいという思いが人一倍強いんです。
でも銀行にいる自分に求められることは手数料を稼ぐこと=お金を持った人に金融商品を買ってもらうこと。になってしまうんです。
それって結局は銀行のために働いていることになります。
これが本当に今の自分にやりたいことなのか?この先もやり続ける価値のあることなのか?ってある時から考えるようになりました。
何のために働くのか?
昨年の秋ごろ、あっきんからこんなことを言われました。
[say name=”あっきん” img=”https://akilog.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/akkin-prof.png”]もう十分銀行のために働いたよ。そろそろ自分がやりたいことを仕事にしてもいいんじゃない??一緒に面白いことやろうよ。[/say]
この一言で私は14年勤めた銀行を辞めることにしました。
私がやりたいことは商品を販売することじゃなくて投資をする人が増えることです。そのためにこれまで培ったスキルを活かした仕事がしたいんです。
ここで私が尊敬するレオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)の藤野さんがよくおっしゃっている言葉を紹介します。
「私たちの身の回りのモノやサービスは誰が提供していますか?ほとんどは会社です。鉛筆からパンからティッシュから服まで。
つまり会社無くして社会は成り立ちません。会社が発展することはより社会が豊かになることです。
だから私たちは株式を買います。みんなが株を買えば株価が上がって会社もさらに発展しますよね。決して株式投資はお金儲けだけが目的ではありません。」
この言葉は奥が深いと思っています。これって投資の良さであると同時に私たちが働く意義でもあると思うんです。
つまり、社会が豊かになるために自分にできることをするのが働くことなんだと思うんです。
そう考えるともう自分が働く場所は銀行ではない。という結論になるんです・・・。
これが私が銀行を辞めた本当の理由です。
あっきんを見ていて羨ましいと思ったのは自分が愛用しているトラリピを人に紹介して喜ばれるってところです。なんだか美味しいポジションですよね(笑)
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最近の私と言えば裁量トレードでテニスのレッスン代を稼ぐのが日課になっています。楽しみつつ、お金も増やしつつという感じです。
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銀行を辞めた話とか銀行あるあるとかも最近はYouTubeで発信しています。なかなか聞くことのない話題だと思うので覗いてみてください。
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